ヘンプクリートと現代建築技術

「ヘンプクリート」は、イギリスやフランスで人気の高い建材で、強度はきわめて高く、取り扱いや加工が簡単です。耐火性も兼ね備えているのは木材にくらべて大きな利点です。

この建材は呼吸し、断熱性があり、木材と同じ能力をもちます。原料の麻チップにはミクロン単位の穴が無数に開いているので、冬は熱を蓄え、夏には一定の温度に保つという効果的な温度調整ができる壁を作ることができます。自然素材であるため、シックハウス症候群になる心配もありません。また年間で数万ヘクタールに及ぶ森林伐採を止める手段のひとつとして、地球エコロジーの観点からも注目される素材です。

さらに「ヘンプクリート」は、天然の苦み質を含み、またタンパク質を含まないため、虫やネズミの害を受けず、しかも、防腐、防かび、防虫性があり、デザイン性にも優れているため、例えば古民家再生の壁材として最適です。そもそも「ヘンプクリート」の素材(麻チップ)が、日本の昔ながらの土壁の素材(麻スサ)と同じものなので、これは当然と言えるでしょう。

「ヘンプクリート」は、一般的な木造住宅の軸組み構造に使え、屋根裏、天井裏、床下、壁面とあらゆるところに用いることができます。施工方法は、鉄筋コンクリート造のように型枠を用いて「ヘンプクリート」を流しこみ、固まったら型枠をはずして壁面を作るだけです。鉄筋コンクリート造の建物では内装材として使え、内装壁面に左官することで室内の熱・音・湿度の調整がおこなわれ、快適な住環境を得ることができます。

このように、「ヘンプクリート」の建築資材としての性能はたいへん優れたものです。

古き伝統と新しき創生を融合する「夢の建材」として、私たちは自信をもって「ヘンプクリート」を皆さまにお薦めいたします。